歌舞伎の演目の一つに『与話情浮名の横櫛』(よわなさけうきなのよこぐし)という名作があります。
物語の内容は、江戸で有名な長唄の師匠四代目芳村伊三郎をめぐる千葉・木更津でおきた実話をもとに書かれ、登場人物は「切られ与三郎」「お富さん」そして地元の親分「赤間源左衛門」が主な登場人物です。
赤間源左衛門の愛人であったお富を好きになった与三郎は、お富と二人で逃げ出します。怒った親分は子分たちに命じ与三郎を簀巻きにして木更津の海に投げ込み、お富は江戸に連れて行かれてしまいます。
その後、偶然江戸で再会した二人を描いた作品です。
最福寺には、主人公の与三郎のモデルとなった「中村大吉」のお墓があります。
東金と大網白里の境の清名幸谷で生まれた「大吉」は長唄を習い、その後、茂原生まれの「きち」という女性を好きになってしまいます。この「きち」は山本源太左衛門という親分さんの愛人でした。二人は木更津に逃げてしまうのです。
この話がもとに「与話情浮名横櫛」が書かれました。